ロバート・R・マキャモン (Robert R. McCammon ,1952年 - )は、アメリカ合衆国の作家。スティーブン・キング、ディーン・R・クーンツに次ぐモダン・ホラー界の第三の男といわれた。初期は恐怖小説が中心だったが、のちに普通小説も発表している。
アラバマ州バーミングハム生まれ。アラバマ大学でジャーナリズム学を専攻。卒業後、職を転々としたのち、1978年に作家デビュー。現代の吸血鬼小説『奴らは渇いている』(1981年)で人気作家になった。しばらくスランプになったが、1987年発表の100万部を超えるベストセラーとなった『スワン・ソング』と1990年の『マイン』で、アメリカ・ホラー作家協会がその年に出版された最も優れたホラー小説に与えるブラム・ストーカー賞最優秀長編賞を2度受賞する。(Wikipediaより)
ブードゥーの祈りが聞こえるカリブ海。海の底の墓場から「夜の船」がよみがえる。それはかつて闘いに敗れたUボートだ。中からは無気味な物音がもれている。なにものかが潜んでいる。生物なのか亡霊なのか。楽園は無気味な気配につつまれはじめた……。いま、最も注目されるモダン・ホラーの先鋭が描く傑作長編。
(上巻)最近、ハリウッドの墓地では、墓が掘りおこされ、棺桶が盗まれるという怪事件が発生していた。この知らせを聞いた警部パラタジンは慄然とする。彼が子供のころハンガリーで体験した吸血鬼騒ぎと同じだったからだ。アメリカの最先端を行くロサンジェルスに吸血鬼が?しかし謎のプリンス・コンラッド・ヴァルカン率いる一大勢力はすでにこの巨大都市を制圧しようとしていた―。モダンホラーの最新鋭ロバート・マキャモンが恐怖小説永遠のテーマ〈吸血鬼〉に新風を吹き込んだ超大型冒険小説。
(下巻)ロサンジェルスの全住民を吸血鬼とすべく、ブリンス・コンラッド・ヴァルカンは、史上空前の砂嵐を巻きおこして市街を外界から遮断。その間にも殺人鬼や、暴走族を手下として、吸血鬼の勢力を刻々増強させていく。敵の正体を知る警部パラタジン、神父シルヴェーラ、怪奇映画ファンの少年トミーらは、砂嵐をついて敵の本拠クロンスティーン城に乗り込む。吸血鬼と人間の決戦が始まった。まるでスピルバーグ映画のようなスケールと迫力で迫るマキャモン渾身の超大型エンターテインメント・ホラー。
(上巻)1951年、アラバマ州ホーソーンに生を享けたビリー・クリークモア。彼がチョクトー・インディアンの母から受け継いだのは、死者の魂を鎮める能力だった。町で起きた一家惨殺事件で、行方の知れない友達の霊と話し、死体の在処を突き止めたとき、彼はその力を自覚した。が、人々は冷たく、疑いに満ちた目を向ける――彼自身の父でさえも。そんなある日「南部で最も偉大な伝道者」と呼ばれるファルコナーが、治癒の奇蹟を起こす息子ウェインを連れて町にやってくる。だが、ビリーと母が伝道集会で見たものは……?『少年時代』『遥か南へ』を経て、休筆後第一作『魔女は夜ささやく』に至るマキャモン文学の源流、待望の復活!
(下巻)高校のダンスパーティで起きた大惨事。クリークモア一家の排斥を叫ぶ伝道者ファルコナー。故なき制裁で重傷を負った父と、ただ耐え忍ぶ母。二人を故郷に残し、ビリーは旅立つ。ドクター・ミラクルと過ごすカーニバルの生活。美しきダンサーとの恋。だが、邪悪なるシェイプ・チェンジャーはいたるところに潜み、彼の命を狙う。さらに、父の死により教団を継いだウェイン・ファルコナーは、ビリーを悪魔の化身と信じ、実業家クレブシンの手を借りて追う。だが、二人は互いに知らぬまま運命の糸の両端を握り、手繰り寄せていたのだった……。光と闇の闘争に少年の成長に託して物語る傑作ダーク・ファンタジイ、感動の終幕へ!
(上巻)文豪ポオが名作「アッシャー家の崩壊」で描いた悲劇の一族、アッシャー家は実在した!のみならずその一族は、150年を経て、アメリカの軍需産業の頂点に位置する「アッシャー・アーマメンツ社」の世襲オーナーとして君臨し、ノース・カロライナの山奥に壮大な屋敷を築いてひきこもっている。家業を嫌い、ニューヨークで売れない作家暮らしをしていた主人公リックスが、「父危篤」の知らせに帰郷して知った一族の秘密とは─。モダンホラーの旗手マキャモンが怪奇幻想小説の先達者ポオにささげる話題作。
(下巻)ペンタゴンを影であやつる「死の商人」─兵器製造業者としての家業 を嫌って、ニューヨークに出奔していたリックスはブライアートップ山山麓にあるアッシャー家の屋敷へと帰っていく。自らの家系をテーマにした小説執筆をもくろむ彼が見たのは、子どもさらいの怪人<パンプキン・マン>が森に出没し、迷宮と化した怪建築<ロッジ>が時折鳴動する驚くべき世界だった。そして古文書からリックスが知った一族の驚くべき秘密とは?鬼才マキャモンが前人未到の領域に踏み込んだ壮大なゴシック伝奇小説!
(上巻)ブラム・ストーカー賞最優秀長篇小説賞、日本冒険小説協会大賞受賞。第三次世界大戦勃発。核ミサイルによる炎の柱と放射能の嵐が全土を覆い尽くした。生き延びた人々を待っていたのは、放射能障害、「核の冬」の極寒、そして過去の遺物の争奪…死よりなお凄惨な狂気の世界であった。核戦争後のアメリカ大陸を舞台に繰り広げられる世界再生の鍵を握る少女スワンを巡る聖と邪の闘い。世紀末の黙示録神話を描く「超」大作巨篇。
(下巻)ブラム・ストーカー賞最優秀長篇小説賞、日本冒険小説協会大賞受賞。“輪(リング)”の浮かぶ掲示に導かれるシスター達、ロシアの来襲を妄想し狂気の軍隊を進軍させるマクリン大佐とローランド、復興に向かう人々の心を再び荒廃と狂気に引き戻さんと暗躍する「深紅の目の男」、あらゆる者たちの運命の糸が、次第にスワンのもとに集められていく…果たして世界の行方はいかに。ホラーの枠を超えたマキャモンの現代の聖杯伝説はここに円を閉じる。
(上巻)地球に不時着した逃亡者“ダウフィン”の引き渡しを迫る“スティンガー”は町の人間を一人ずつ殺しはじめる。日ごろ抗争をつづける白人系とメキシコ系、二つの不良少年グループは“スティンガー”に敢然と立ち向かうが――。異星生物の弱点とはなにか? 人間たちと“ダウフィン”に勝ち目はあるのか? まるでハリウッド映画の面白さをすべて詰め込んだような、究極のホラー&サスペンス。「怖くて面白くてハラハラドキドキさせて、カッコよくて泣かせる」モダンホラーの最新傑作がやってきた!
(下巻)テキサスのさびれた鉱山の町インフェルノの郊外に空から巨大な黒いピラミッド状の物体が落下した。その異様な物体は紫の光を発し、町を外部から遮断する。内部から出現したのは“スティンガー”(刺あるもの)――この町に逃げ込んだ逃亡者“ダウフィン”を追って現れた第二のエイリアンだった。“スティンガー”は、人間そっくりの分身をあやつり、“ダウフィン”の引き渡しを迫る。対決か、降伏か。閉鎖空間に展開する二十四時間の人間ドラマ! これこそモダンホラーの新時代を拓くマキャモンが放つ絶対の自信作だ。
(上巻)砂嵐が吹き荒れる灼熱の大地。砂漠の狐ロンメルはヒトラーの望んだ戦利品・スエズ運河をめざしていた。勝利は目前だった。ところが、テントでの作戦会議を終えた将校たちは、緑色の目をした黒い狼に襲われる。ほとばしる野性と冷徹な知性をあわせ持つ獣はナチスの機密書類を奪い砂塵の彼方へ消えた……。ホラー小説を越えた新境地を切り開く異色長編。
(下巻)英国軍少佐として特別な指名をうけたガラティンは人狼だった。ロシアに生まれたガラティンは、革命の嵐の中、幼少にして天涯孤独の身となる。少年は、狼と人間の血を引いた人狼に拾われる。細菌に冒され、脳の中の野性が目覚め、肉体までもが変容する人狼。少年は過酷な試練に耐え、彼らに全てを学び、イギリスに渡った……。
(上巻)“ミスター・モジョは起きあがった。あの女はいまも涙を流している……”ローリング・ストーン誌でこんな広告を目にしたとき、"神"からのメッセージだとメアリーは信じた。あの60年代の闘争の日々、リーダーのロード・ジャックは光り輝く"神"だった。その彼が自分を呼んでいる。あのとき彼に捧げることができなかった"供物"を求めて……。
(下巻)その“供物”は、健やかな男の赤ん坊でなければならない。盗んででも、邪魔だてする者は撃ち殺してでも、指定された日までに届けねば。盗んだ女、盗まれた女、双方にとって赤ん坊はマイン(わたしのもの)だ。それは傷つき破れた60年代へのこだわりなのだ。ひた走る女と追いすがる女の血みどろの争いに、奇妙な共感が交錯する。
(上巻)十二歳のあの頃、世界は魔法に満ちていた――1964年、アメリカ南部の小さな町。そこで暮らす少年コーリーが、ある朝殺人事件を目撃したことから始まる冒険の数々。誰もが経験しながらも、大人になって忘れてしまった少年時代のきらめく日々を、みずみずしいノスタルジーで描く成長小説の傑作。日本冒険小説協会大賞受賞作。
(下巻)初恋、けんか、怪獣に幽霊カー。少年時代は毎日が魔法の連続であり、すべてが輝いて見えた。しかし、そんな日々に影を落とす未解決の殺人事件。不思議な力を持つ自転車を駆って、謎に挑戦するコーリだが、犯人は意外なところに……? もう一度少年の頃のあの魔法を呼び戻すために読みたい60年代のトム・ソーヤーの物語。
はずみで人を殺してしまったヴェトナム帰りのダンは、余命いくばくもない身ながら逃避行に出た。道連れは顔半分に痣のある美少女に、ダンを追う三本腕の賞金稼ぎとプレスリーのそっくりさん。アウトサイダーにされてしまった者たちは、癒しを求めてひたすら南へ向かう。温もりと恐怖が混ざり合う不思議なロード・ノヴェル。
(上巻)17世紀末、アメリカ南部。町を襲う魔女を捕らえたとの報に、魔女裁判を行なうべくやってきた判事ウッドワードとその書記マシュー。悪魔の呪いのためか、彼らが目にした町は荒れ果てていた。司祭と夫を鉤爪で惨殺し、牢獄に囚われた“魔女”は混血の美女レイチェル。夜闇に跳梁する魔物どもと戯れる姿も町民に目撃されているという。裁判の日が刻々と近づく。だが若きマシューは疑念を捨てきれない。獄中の美女は本当に魔女なのか?かの名作『少年時代』で感動を呼んだ巨匠マキャモン、十年の沈黙を破る復活作。
(下巻)“魔女”レイチェルの処刑まであと数日。彼女の無実を信じ、愛しはじめた青年マシューをよそに、町のひとびとの魔女への憎悪が高まりはじめ、病状を悪化させた判事は瀕死の床に伏せる。状況はまさに四面楚歌―マシューは不屈の調査を続行する。すべての背後にいるのは誰か。その目的は何か。そして悪魔は実在するのか。手がかりはなく、武器もなければ仲間もいない。それでもマシューは、正義と真実を信じて、戦いをあきらめはしない。そう、真の「悪」を暴き出すまでは―。
妻と寝たはずなのに目覚めると隣に骸骨が横たわっているのを発見した男。往年の怪奇俳優の化粧箱に隠されていた秘密。新興別荘地のハロウィーンの命がけの仮装ごっこ。内も外も真っ赤な家に住む不思義な一家。ポルノ・スターに魅入られた若き神父。乗る人を待つばかりのスポーツカーのように軽快なストーリーテリングが絶妙。