フランシス・ポール・ウィルソン(Francis Paul Wilson, 1946年5月17日-)は、アメリカ・ニュージャージー州出身の作家。医師免許を持ち、パートタイマーの医師でもある。自身の経歴を生かした医療サスペンスやSF、ホラー等のジャンルを手がけている。代表作は長編伝奇ホラー『アドヴァーサリ・サイクル』シリーズ。
医大在学中の1970年にAnalog誌が作品を買い取り、これが作家デビューとなる。その後、70年代は主にSF作品を執筆。1981年に発表したホラー作品『ザ・キープ(The Keep)』がベストセラーとなり1983年には映画化、一躍その名を世界に知られる。
20世紀初頭の怪奇作家H・P・ラヴクラフトのファンであり、作品にはクトゥルフ神話を思わせる描写が見受けられる。
やっかいなことになった。よりによってダイディータウンのクローン娼婦から、失踪した恋人探しを依頼されるとは! どんな快楽にも応じる美男美女のクローンが集う街――それがダイディータウンだ。いくら美女でも真民がクローンと恋におちるわけがない。 とはいえ女がさしだしたのは本物の金貨だ。 で、俺は引き受けた、地球を揺るがすほどの大事件に巻きこまれるとも知らずに……鬼才が放つ傑作SFハードボイルド!
(上巻)太平洋戦争前夜、日本には軍部や右翼と通じ、アジアから白人を追放し、日本人によるアジア支配を夢見る謎の宗教結社があった。その集団は、数百年来失われている秘法――かつて地上に闇をもたらし、信長の軍勢を壊滅させたといわれる不思議な嵐「黒い風」をふたたび呼び起こし、来たるべき戦争で敵国を降伏させようとしていた……。
『城塞』『マンハッタンの戦慄』で話題をよんだモダンホラーの俊才ウィルスンが、日米両国を舞台に描く壮大な、〈もうひとつの現代史〉伝奇ロマン、ここに登場!
(下巻)開戦前夜、大久茂男爵の息子松男が、真珠湾の船舶配置図を入手したことで、日本軍の奇襲攻撃は成功した。だが、暗号を解読された日本軍は敗走をかさねてゆく。一方、秘密教団による「黒い風」の秘術の研究が進み、太平洋の孤島では説明のつかない奇怪な出来事が起こっていた。彼らがこれこそ戦局逆転の秘策と信じる「黒い風」の正体とは?恐るべき魔術「黒い風」と、近代兵器の最後の決戦の時が迫る……。
日米両国を舞台に展開するこのオカルト巨篇は驚くべき結末に向けて邁進してゆく!
(上巻)夜のマンハッタンで、ひとりの女がホテルの窓から身を投げた。女の名はケリー、真面目で有能な看護婦だった。だが、ケリーの双手の妹カーラは、昔の恋人だった刑事ロブから、ケリーがイングリッドと名乗って、夜ごと繁華街で男を漁っていたことを知らされる。姉の隠された私生活を知るために、精神分析医ゲイツを訪れたカーラは、驚くべき事実を告げられる。
実はケリーは多重人格者であり、その双子の姉妹であるカーラにも、別の人格が潜んでいる可能性があるというのだ!鬼才ウイルスンが描く異色の心理サスベンス!
(下巻)精神分析医ゲイツのもとを訪れた日から、カーラの身に奇妙なできごとが起こり始める。どうやら眠っているあいだに、ジャニーンと名乗る人格が出現しているらしい。ほんとうに自分は多重人格なのだろうか? 一方、ゲイツの態度に不審なものを感じたロブは、ゲイツの身辺を探りはじめる。やがて明らかになってきたのは、ゲイツとその双手の兄ガボールをめぐる驚くべき秘密だった
一卵性双生児の不思議な絆をテーマに、サスペンスとホラーをみごとに融合させた、第一級のエンターテインメント。
(上巻)1996年、湾岸戦争のさなかにイラクのミサイルがイスラエルの砂漠に落ち、洞窟が現れた。神父ダンとシスター・キャリーは、偶然手に入れた古文書をもとに聖母マリアが眠るという洞窟を探し当て、老女の遺体をNYの教会に移送する。その頃、末期癌に侵されたヴァチカンの司教リッチオは、奇蹟現象を探し求め世界各地を巡り歩いていた。エイズ患者の息子を持つ次期大統領候補クレンショーもまた、あらゆる奇蹟を血眼で探していた――
F・P・ウィルスンが女性名義メアリ・E・マーフィーで発表した、壮大な世紀未ホラー。
(下巻)ダンとキャリーはNYに着いた老女の遺体を教会の地下に安置した。すると、次々と奇蹟が起きはじめ、次第に世界中を巻き込む疑動となる。司教リッチオも光に包まれた聖母の姿を目撃するが、翌日、体内の癌細胞はあとかたもなく消えていた。教会には癒しを求める人々が押し寄せる。上院議員クレンショーは、死に瀕した息手を救うため、遺体の極秘入手を計画するが……やがて裁きの日が近づき、大いなる力が動きだす――
鬼才F・P・ウィルスンか新たなる〈千年紀〉到来を迎える世界に問う、異色スリラー。
(上巻)1941年、ルーマニアのトランシルヴァニア地方。ドイツ軍に占領された中世の城塞に、ある夜、ただならぬ絶叫が響きわたった。地下室に駆けつけた兵士たちが見たものは、首を引きちぎられた仲間の無残な死体だった! さらに第二、第三の殺人が起き、恐慌をきたしたドイツ軍は、ユダヤ人の歴史学者クーザに調査を命じる。現場に残された古代文宇を手がかりに殺戮者の正体を追うクーザの前にある夜、おぞましい異形の存在が姿を現わした!
吸血鬼伝説とナチス侵略という時代背景を巧みに融合させた伝奇ホラーの金宇塔
(下巻)クーザの前に現われた吸血鬼モラサールは、自分に協力すればドイツ軍を皆殺しにしてやると取引をもちかける。ナチスを憎むクーザはモラサールの申し出を受けるが、その背後に隠された恐るべき好計を知るべくもなかった! 同じころ、クーザの娘マグダは、グレンと名乗る謎の男と出会う。城塞の内部を詳しく知るこの男は何者なのか? そして、父親を救出するために、
マグダとグレンが城塞へと向かったとき、人智を超えた戦いの幕が切って落とされた! 正統派ホラー小説の旗手ウィルスンの代表作。
(上巻)その日〈始末屋〉ジャックのもとを訪れたのは、インドの外交官と名乗る奇妙な男だった。その男クサムに、奪われた家宝のネックレスの捜索を依頼されたときから、ジャックの周辺で奇妙な事件が起こり始める。富豪ウェストファーレン家の老夫人の失踪、謎の美女コラパティの出現……どうやらすべての鍵は、クサムとウェストファーレン家の関係に潜んでいるらしい。謎を追うジャックの前にやがて姿を現わしたのは、想像を絶する恐るべき敵だった!
鬼才F・P・ウィルスンが傑作『ザ・キープ』に続いて放つ戦慄のホラー!
(下巻)始末屋ジャックの前に立ちはだかったのは、鋭い牙と釣爪を持ち、人肉を食らう太古の魔物ラコシだった。復讐に燃えるクサムに操られ、ウェストファーレン家の血を引く者を次々に襲うラコシの群れ。恋人ジーアの娘ヴィッキーを守るため、死カを尽くしてラコシを迎え撃つジャックの運命は? クサムのネックレスに秘められた恐るべき秘密とは?――マンハッタンを舞台に、
異色のヒーロー〈始末屋〉ジャックと古代の魔物との壮絶な闘いを描き、伝奇ホラー6部作〈ナイトワールド・サイクル〉の第2部を構成するホラー巨編。
(上巻)「あんたがそうだ!」浮浪者の薄汚れた手が医師アランの手を握った。たちまちアランは高圧電流にも似たショックを身体じゅうに感じた。そのときから、アランは触れるだけでいかなる不治の病も癒せる奇跡の人となったのだ。やがて、彼の不思議な治療を受けようと、難病を患う人々が各地から大挙してアランの診療所に押しかけてきた。
だが、この奇跡の力にはひとつ問題があった。おかげで、病人たちの間にパニックが……!?
(下巻)ダ・タイ・バオ――ベトナムに古来より伝わる奇跡の癒しの力。医師アランはこの力を得たために妻と家を失い、そのうえペテン師の汚名を着せられて停職処分を受けてしまった。そんな彼に救いの手を差しのべたのがマクレディ上院議員だった。だが、この上院議員の申し出も、じつは自分の難病を治すためにアランを監禁し、奇跡の力を一人じめする口実にすぎなかった……
『ザ・キープ』の著者が描きだす医学サスペンスの傑作
売れないホラー作家ジム・スティーヴンスは、ある日一通の奇妙な手紙を受け取った。なんとジムが、事故死した遺伝学の世界的権威ハンリー博士の遺産相続人に指名されているというのだ。自分とハンリーとのつながりを調べはじめたジムは、やがて自分の驚くべき出生の秘密を知ることになった。だがそれは、ジムと妻のキャロルを待ちうける、恐るべき運命の序曲にしかすぎなかった! あの名作『ザ・キープ』と『ナイトワールド』の橋渡しとなるF・ポール・ウィルスンの伝奇ホラー巨編、待望の登場!
(上巻)南部の大学町で孤独な生活を送る女性数学者リスルは、美貌と才能に恵まれた大学院生レイフと知り合い、恋に落ちた。選ばれた人間は道徳など無視していいと主張するレイフの影響で、徐々に人格を変えられていくリスル。彼女の数少ない友人だった用務員のウィルは、そんなリスルの姿を見て、ある忌まわしい記憶が甦ってくるのを感じた。それは、五年前、彼がまだビル・ライアン神父と名乗っていたときに起きた、悪夢のような出来事の記憶だった!
巨匠F・ポール・ウィルスンが『リボーン』に続いて放つ鮮烈な心理ホラー!
(下巻)リスルを悪の世界に引き込んだ青年レイフは、かつてビルの教え子ダニーを惨殺した謎の女サラと瓜二つだった。それに気づいたビルは、レイフにサラとの関係を問いただす。だがレイフは冷笑を浮かべながら、一つの驚くべき事実を明かした。ビルが五年前に自らの手で埋葬したはずのダニーは、実はまだ生きているというのだ!――復活を遂げた『ザ・キープ』の悪の化身ラサロムと、
『リボーン』のライアン神父との終わりなき闘いを描き、傑作作『ナイトワールド』ヘと続くファン待望のホラー巨編、ついに登場!
(上巻)1941年、ルーマニア奥地の城塞で、光の剣の使い手グレーケンによって滅ぼされた「永劫なる魔性」ラサロム。しかしラサロムは驚くべき復活を遂げ、いまふたたび世界を恐怖と混乱のどん底へと叩きこもうとしていた。宿敵の復活を知ったグレーケンは、かつてラサロムと闘った〈始末屋〉ジャック、ライアン神父、パルマー医師らと共に、ラサロムの野望を阻止すべく立ち上がった!
傑作『ザ・キープ』のグレーケンとラサロムの最後の対決を描き、伝奇ホラー6部作〈ナイトワールド・サイクル〉の掉尾を飾る超大作!
(下巻)太陽の運行を狂わせ、無数の殺人蟲を放って殺戮を繰り返すラサロムの前に、世界は大混乱に陥っていた。グレーケンは、ラサロムを滅ぼすための剣をふたたび手に入れるべく、仲間をルーマニアとハワイヘ向かわせる。はたして、ラサロムが完全な成長を終える前に、剣を手に入れることができるのか? そして、太揚を失った「夜の世界」では、ラサロムとグレーケンの最後の決戦の火蓋が切って落とされようとしていた!
『ザ・キープ』『マンハッタンの戦慄』『触手』の登場人物が総登場するウィルスン・ホラーの集大成!
(上巻)ニューヨークの小児エイズ・センターを取りしきる若き女医アリシアは、急死した父の遺産として屋敷を受け継いだ。しかしそこには、彼女の秘密が封印されている。悪夢の屋敷を処分すべく動きはじめたアリシアに対し、強大な敵の妨客工作がはじまった。しかもその背後には、腹ちがいの兄がいるらしい。頼りの弁護士を爆殺され、徐々に追いつめられていくアリシア。ついに屋敷の焼却を決意した被女のまえに、凄腕の男が現われた――
〈始末屋ジャック〉。姓もなく、社会的な身分もいっさい消した、裏世界の仕事人である!
(下巻)始末屋ジャックは、小児エイズ・センターで起きた卑劣な犯罪を解決する仕事から、美しき女医アリシアに出会う。だが、彼女自身がたいへんなトラブルをかかえていた。遺産として受け継いだ屋敷をめぐって暗躍する、ふたつの謎の結社。隠された秘密をついに解き明かしたジャックは、世界を根底から揺るがす壮絶な戦いに巻きこまれていた……モダンホラーの金宇塔「マンハッタンの戦慄」の始未屋ジャックが、帰ってきた!
F・ポール・ウィルスンが構想も新たに贈る、アクション・エンターテインメント。
裏世界の仕事人〈始末屋ジャック〉のもとに、行方不明の妻を探してほしいという依頼があった。依頼人の妻メルは、〈秘密組織と未承認現象を暴露する協会〉なる怪しげな組織の会員で、近く年次総会で、世界の謎や不可解な現象を解き明かす大統一理輪を発表する予定だったという。ジャックは怪しげな通中だらけの総会に潜りこんだ。そして、ジャックはこの世ならぬものの跳梁と対決することに……。 鬼才F・P・ウィルスンが生んだヒーロー〈始未屋ジャック〉が疾走する緊迫の六日間!
(上巻)五月……ニューヨークでは、狂暴な暴力の発作を伴う新麻棄が蔓延していた。われらがヒーロー〈始末屋ジャック〉は、製薬会社の女性研究員から、謎のセルビア人ギャングのボス、ミロシュの調査を依額される。ミロシュはこの新麻薬に絡んでいるらしい。一方製薬会社重役モネを備考するジャックは奇抄な人体実験を目撃。荒れ狂う被険者のありさまは、新麻薬の発作と同じものだった!
単なる脅迫と思えた事件は、奇怪な様相を見せていく。鬼才F・P・ウィルスンが放つ痛快アクションホラー巨編!
(下巻)モネは怪しげな〈珍奇博覧会〉なる見世物小屋にひんぱんに出入りしている。ジャックは、その見世物小屋に潜入した。そこで彼は驚愕すべきものを目撃する。それは、再びみることはないとおもわれた、魔界の使者ラコシの姿だった。かつて壮絶な死闘を繰りひろげ、死滅させたはずのラコシ! 新麻薬とラコシを結ぶ見えない糸とは? ジャックは、かつて倒したはずの敵と再びまみえることに……!
ついに映画化される傑作『マンハッタンの戦慄』につらなる好評アクションホラーシリーズ最新作!
乗り合わせた地下鉄車内で銃を乱射しはじめた殺人狂を手持ちの銃で制し、その場を立ち去ったことから「幻のヒーロー」として、新聞記者に追われる身となった、われらが〈始末屋ジャック〉。文字通り名前も身分も消して、大都会ニューヨークの無関心のなかに身を潜めてきた裏世界の仕事人に重大な危機が訪れる。他方ジャックは、奇妙な依頼を引き受けたが、その依頼人はジャックの消息を知るはずもない、実の姉ケイトだった! そしてジャックが相対することになる、新たな敵の正体とは……?
『見えない敵』の事件からニヵ月、心に負った傷が癒える間もなく、われらが主人公〈始末屋〉ジャックはまたも不思議な縁で、異界とかかわることになった……。ふとしたことから「霊界と交信できる」というふれこみの男イファセンを訪ねたジャック。もちろんジャックは霊能者イファセンがいかさまであると見破ったが、かつて陰惨な殺人事件の舞台となったイファセンの屋敷では説明のつかない現象がいくつも起きていた。かくしてジャックは、新たな依頼を受けることになったのだが……。
九月……愛する家族が標的となった『幽霊屋敷の秘密』の事件直後、ジャックの十歳年上の兄トム・ジュニアから電話があった。いまはフロリダに隠居している、二人の父トムが交通事故に遭い、意識不明の重体で病院に収容されているという。ほとんど表世界に顔を出さなかったジャックは、ニューヨークの闇を抜けて、陽光あふれる南国マイアミに向かう。だが、ジャックがそこで見たものとは? 旱魃と暴風雨で荒れた土地フロリダ。その湿地帯には、謎の勢力が潜んでいた……!